後遺障害の併合に関する基礎知識|交通事故に強い弁護士

交通事故被害相談 by 弁護士法人心

後遺障害併合に関する基礎知識

1.概説

交通事故で怪我をされた場合,被害者は,医療機関に通って治療を受けることになります。

その治療によって怪我が完治し,交通事故前の状態に戻るのが最も望ましいことといえます。

しかし,被害者の中には,治療を受けたにもかかわらず,身体に障害が残存してしまう場合があります。

これを後遺障害といい,症状の内容や程度に応じて等級及び号数の認定がなされます。

等級は1から14まで段階づけられ,数が小さい方が重い等級になり,号数は自賠法施行令別表第1と第2を合わせると137に上ります。

それでは,複数の後遺障害が残った場合,等級の認定はどのようにされるでしょうか。

複数の後遺障害がある場合は,1つしか後遺障害がない場合に比べて,被害者は重い負担を抱えていくことになるのが通常ですから,それに見合う処理がなされるべきといえます。

この処理が「併合(自賠法施行令2条1項3号)」と言われるものであり,以下で詳述します。

2.法令上の規定

自賠法施行令2条1項3号では,次のように規定されています。

  1. (1)第5級以上の後遺障害が2つ以上存在する場合

    重い方の後遺障害の等級を3級繰り上げます。

    例えば,第4級と第5級の後遺障害が認定された場合は,4から3つ繰り上げて併合1級が認定されます。

  1. (2)第8級以上の後遺障害が2つ以上存在する場合

    重い方の後遺障害の等級を2級繰り上げます。

    例えば,第6級と第7級の後遺障害が認定された場合は,6から2つ繰り上げて併合4級が認定されます。

  1. (3)第13級以上の後遺障害が2つ以上存在する場合

    重い方の後遺障害の等級を1級繰り上げます。

    例えば,第13級と第11級の後遺障害が認定された場合は,11から1つ繰り上げて併合10級が認定されます。

  1. (4)(1)~(3)以外で後遺障害が2つ以上存在する場合

    重い方の後遺障害の該当する等級によります。

    例えば,第14級と第12級の後遺障害が認定された場合は,第12級が後遺障害の等級とされます。

    (1)~(3)のように等級が繰り上がる処理はなされません。

3.併合による利点

  1. (1)後遺障害慰謝料について

    自賠責保険では,併合後の等級に応ずる後遺障害慰謝料としての保険金額が支払われるので,併合前よりも金額が増えます。

    ただし,併合前のそれぞれの後遺障害等級の保険金額の合算額が併合後の後遺障害等級の保険金額を超えるときは,合算額が限度です。

    また,裁判において加害者に対して請求する後遺障害慰謝料も,等級が重くなるに応じて金額の基準が高くなっていきます。

  1. (2)逸失利益について

    自賠責保険では,等級に応じた労働能力喪失率が規定されています。

    よって,基本的には,併合によって等級が繰り上がれば,労働能力喪失率も上がり,逸失利益も増えます。

    前記2(3)の例でいうと,併合がなければ一番重い第11級に該当する労働能力喪失率20%が適用されます。

    しかし,併合によって10級に該当する労働能力喪失率27%が適用され,単純計算では7%分増加します。

    なお,裁判においては,労働能力喪失率及び労働能力喪失期間は,自賠責保険の認定に拘束されず,個別具体的な事情を考慮して判断されます。

    とはいえ,自賠責保険の等級は事実上強い影響力を有しているため,基本的には等級が重くなるに応じて逸失利益の金額も上がることになります。

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弁護士事務所に勤務していると,交通事故の相談に来られる方がこんなにいるのかと驚かされます。

いつ自分の身に起きるか予想もつかないことなので,実際に被害に遭うとパニックになってしまいがちです。

交通事故に遭ってしまったらまずは何をすべきかを知っておくことも大切です。

被害者となるか,加害者となるかでだいぶ状況が変わってきます。

今回は被害に遭ってしまった場合のシミュレーションをしてみましょう。

まずは,人命救助や二次被害が起こらないよう対策をするのが先決です。

その後,可能であれば以下の4ステップを踏むことになります。

1 相手の身元を確認する(加害者側が協力的で,警察が来るまで安全確保などの対応をする場合は必要ありません。)

免許証,車検証を見せてもらい,相手の了承を得てから携帯電話やスマホのカメラなどで撮影しておく。

この時今後の連絡先(携帯電話の番号)を交換するなどしておく方が良いでしょう。

現場から逃走するような相手だった場合は,急ぎ車両(ナンバー)を記録しましょう。

2 警察へ届ける

携帯電話から110番へかければつながります。

名前や状況などを聞かれるので落ち着いて対応しましょう。

事故証明書を発行してもらうためにも必要な手順です。

3 現場の保全

警察の方が来るまでの間,事故の状況をカメラなどで撮影しておきましょう。

目撃者がいれば証言を協力依頼すると良いでしょう。

今はドライブレコーダー搭載の車両もありますので,その有無を確認するのも大切です。

カーナビの画面を撮影しておくのも良いかもしれません。

4 保険会社へ連絡

自分が車の運転をしていなかった時(歩行中や自転車に乗っている等)でも,加入している自動車保険が使える場合があります。

被害者となった場合,相手から「示談にしましょう」とある程度の金額を提示される場合があります。

この時点で書面にサインなどをしてしまうと,後々弁護士や保険会社が対応できないことも考えられますので,当人同士の示談はできるだけ避けましょう。

また,事故に遭ってすぐは緊張もしていますし,身体の不調に気付きにくいことがあります。

少し時間がたってから症状が出ることがありますが,必ず整形外科などの病院に行き,治療を受けてください。

後で保険会社や弁護士に診療明細書などを提示する場面も出てくるかも知れませんので,必ず保管しておきましょう。

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