詳しくは、こちらをご覧ください。
ひき逃げ
ひき逃げの弁護内容
1 逮捕,勾留されないよう全力でサポートします。
事故の原因,態様,結果などが悪い場合,逮捕されたり,勾留をされたりする可能性があります。
しかし,逮捕・勾留をされれば,肉体的・精神的な不利益のみならず,仕事を休んだり,辞めなくてはならなかったりと,経済的・社会的な不利益を被ることになります。
弁護士がついていれば,逮捕前に警察に意見書やご家族の身元引受書,ご本人の誓約書などを提出することにより,逮捕をされないようにサポートします。
また,逮捕されてしまったとしても,身体拘束が必要ないことを主張して,早期の釈放を求めたり,その後に勾留決定がなされたりしないよう活動をします。
逮捕・勾留により,身体拘束がなされると,捜査機関から不正確な供述調書や実況見分調書を取られたりすることもありますので,逮捕されないようにしたり,早期の釈放を求めることは非常に重要です。
逮捕されないようにしたい,逮捕・勾留されてしまったけれど早期に釈放してほしいとお考えの方は,ぜひ私たちにご相談ください。
2 示談,嘆願書の取得を全力でサポートします。
ひき逃げでは,被害者に治療費や慰謝料などを支払い,示談をすることが非常に重要です。
ご本人様が任意保険に加入していれば,通常は,任意保険会社が示談交渉を代行してくれます。
しかし,保険会社の担当者の対応が悪い場合などは,被害者の被害感情を増幅することになりかねないので,弁護士が示談交渉をすることもあります。
保険会社が示談をしたとしても,示談書には加害者を「許す」という言葉は記載されていません。
そのため,別途,被害者から嘆願書をもらい,書面で「許す」という言葉をもらうことが非常に重要です。
また,通院に時間がかかる場合,示談が成立するまでに1年以上もかかる場合がありますので,その場合にも,示談に先立って嘆願書をもらうことが重要です。
示談をしたい,嘆願書をもらいたいと思っているけれども,どのようにしたら良いか分からない場合には,ぜひ私たちにご相談ください。
3 不起訴処分や略式裁判での罰金判決の獲得を全力でサポートします。
執行猶予付の判決の場合,万が一,執行猶予期間中に再度事故を起こした場合などには,執行猶予が取り消されて刑務所に行かなければならない可能性があります。
また,執行猶予付であっても,禁錮刑や懲役刑の判決がくだされると,公務員などの資格が失効して,職を失ってしまう可能性もあります。
そのため,ひき逃げを起こしてしまった場合,不起訴処分を獲得したり,略式裁判で罰金判決を獲得したりすることが非常に重要となります。
私たちは,そのために,事故の原因を解明し,具体的な再発防止策を策定し,反省の姿勢を示すことなどを通じて,不起訴処分・罰金判決の獲得を全力でサポートします。
4 事故態様に争いがある場合などには,各専門家と協力して原因を解明します。
事故態様に争いがある場合,ドライブレコーダーや監視カメラなどの映像や,車両の破損具合,信号サイクルなどから事故態様を解明する必要があります。
その場合,工学鑑定人などと協力して,各種証拠を分析し,事故態様を解明していきます。
5 正式裁判での起訴後も量刑が少しでも軽くなるように全力でサポートします。
正式裁判になった場合には,法廷で被告人質問や証人尋問が行なわれます。
ひき逃げで逮捕・勾留されていない場合には,事故から裁判まで1年以上かかることもあるため,事故時の記憶が薄れてしまうこともしばしばあります。
一方で,被害車両の目撃位置や衝突位置などを正確に証言しなければなりません。
その上,裁判で証言する場合は,緊張で頭が真っ白になってしまうこともしばしばあります。
そのため,事前準備を十分に行ない,検察官の反対尋問についての想定の練習を行ないます。
また,情状証人を立てる場合には,情状証人の証人尋問の練習もしっかりと行ないます。
被害者対応の4つのポイント
1 嘆願書の獲得をサポートします。
私たちは,ひき逃げの刑事事件の場合,示談交渉はご依頼者の加入している保険会社が行なうとしても,弁護人が直接謝罪を行ない,被害者の処罰感情を少しでも和らげて,寛大な処分を裁判所に求める嘆願書を取得するサポートを行なっております。
これがなければ,被害者の事故直後の峻烈な処罰感情が書かれた供述調書のみが検察官や裁判官の目に触れることになり,重い処分・判決が出される要因となってしまいます。
そこで,弁護人からの謝罪に加えて,ご本人様やご家族からの直接の謝罪や反省文の作成,お見舞い等,被害者の処罰感情を和らげる方策を取ると共に,被害者にご依頼者様が更生するには寛大な処分が必要であることを丁寧に説明し,嘆願書を作成していただきます。
2 被害感情へ十分な配慮をいたします。
ひき逃げの被害者との示談交渉では,被害感情に十分に配慮しなければならないことはいうまでもなく,私たちは,被害者とアポイントを取る際や直接お会いする際には丁寧な対応を心掛けております。
また,被害者の意見・要望をできる限りくみ取ることも大切です。
被害者のプライバシーに配慮する条項や被害者と加害者が接触しないことを約束する条項を盛り込んだ合意書の形で嘆願書を作成することもあります。
3 迅速な対応をいたします。
被害者との話合いにおいては,被害者の都合を考慮しながら,いつまでに嘆願書を取得する必要があるのか常に注意して迅速に進めなければなりません。
例えば,前科がつくことを回避したいというご意向であれば,検察官の起訴・不起訴処分の決定前までに嘆願書を取得する必要があります。
弁護士法人心では,できる限り,被害者が希望する日時に合わせて面会等の日程調整を行う等,迅速な謝罪等に向けて柔軟かつ迅速に対応することができます。
4 熱意ある対応をとります。
被害者から嘆願書をいただくためには,弁護士が熱意をもって交渉に臨むことが重要なポイントになります。
加害者の弁護人が被害者と交渉する際には,被害者の方からすれば,弁護人の言動を通じて加害者の反省を感じ取ることになります。
そのため,弁護人が熱意をもって対応すれば,被害者に対して,加害者が真に反省していることや加害者が被害回復に真摯に取り組んでいることをきちんと伝えることができます。
ひき逃げ事故発生からの流れ
事故発生から送検・勾留まで
ひき逃げ事故で逮捕された場合,すぐに弁護士と連絡をとることができます。
逮捕前にご相談いただければ,弁護士としてアドバイスできる内容は多くなり,有利な結果となる可能性も高くなります。
依頼者が自首を希望する場合,法律上の自首の要件を備えていることを確認し,場合によっては出頭に同行することもあります。
ひき逃げ事故を起こすと,その方は「被疑者」となります。
警察は被疑者の弁解を「弁解録取書」としてまとめ,それを参考に送検します。
決定するまでの間,最長48時間まで留置の可能性があります。
留置中,家族等身内の方とは面会できませんが,選任された弁護士はほぼいつでも,時間の制限もなく,警察官の立ち会いもなく,ご依頼者様との面会が可能です。
制限時間は刻々と迫ってきますので,今後の対応策を大至急打ち合わせいたします。
また,家族や親しい方との連絡も,弁護士を通じて行うことができます。
送検されると検察は24時間以内に勾留が必要かどうかを判断し,必要とした場合裁判官に勾留請求を出します。必要なしとした場合釈放されます。
送検・勾留されないために,被害者への謝罪,被害者との示談,嘆願書の獲得など,誠意ある対応を行なっていることを検察官や裁判官に示します。
事故現場から離れてしまった経緯や事情を主張すること,反省を形にして検察官や裁判官に伝えることも重要です。
また弁護士を通じて身元引受人を確保し,証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを検察官や裁判官に説明するなどの弁護活動も行います。
ただし事故現場から離れた・逃げたという容疑がかけられているので,勾留を解くと証拠隠滅や逃亡の危険があると判断されることが多く,釈放の可能性はかなり低いものとなります。
もちろん事故とは無関係での逮捕であれば,状況の説明や目撃者の証言をもらうなどして,早期釈放に向けて弁護活動を行います。
裁判官は勾留要件を満たしているかを検討し,勾留決定か釈放を判断します。
勾留中は検察官・警察官より様々な取り調べが行われ,最長で20日以内に起訴か不起訴かが判断されます。
勾留中も引き続き,被害者への謝罪,賠償と示談,嘆願書の獲得を目指します。
これらを獲得できれば,ご依頼者様に有利な事情変更となり,勾留の必要なしと判断され早期に釈放される可能性もあります。
事故を起こすに至った生活態度の改善策を示すなど,目に見える形での反省を検察官や裁判官に訴えることも重要です。
起訴から裁判まで
起訴されると「被疑者」から「被告人」となります。
裁判が行われるまで引き続き勾留の可能性もありますが,保釈の請求も可能です。
保釈とは保釈金を収めることを条件として,一定の制限はあるものの,身柄の拘束を解かれる制度です。
請求を行うと,裁判官(裁判所)が検察官の意見も聞いた上で許否を決定します。
ただし被告人の立場は変わりませんので,裁判は行われます。
なお,保釈金は裁判手続の終了後,還付手続を行い,ご依頼者様に返還されます。
保釈中に証拠隠滅や逃亡をするなど保釈の条件に違反した場合,保釈金は没取されます。
検察官の求める処罰(求刑)が罰金の場合,略式起訴として書類のみ裁判所に送られ,処分が決定する場合もあります。
裁判が行われると裁判官により,有罪・無罪が検討され,有罪であれば量刑も言い渡されます。
執行猶予が付くこともあり,猶予期間内に他の刑事事件を起こさなければ,言い渡し自体の効力が失われます。
起訴後は罰金刑,執行猶予の獲得など,実刑とならないための弁護活動が主となります。これにはもちろん無罪判決獲得も含まれます。
(ただし裁判での有罪率は99%というのが日本の現状です。)
ひき逃げとは,人身事故や死亡事故を起こした者が,被害者の救護や警察への報告などをしまいまま,現場を立ち去ることをいう。
そして,ひき逃げをすると,3種類の責任が発生します。
①民事責任
ひき逃げも人身事故,死亡事故の1類型ですので,被害者やご遺族に対して,損害賠償責任を負います。
そして,ひき逃げという行為により,より大きな精神的苦痛を被ったとして,慰謝料などを増額して請求される可能性もあります。
②行政上の責任
ひき逃げにも,救護義務違反,報告義務違反などの類型がありますが,この内,最も重い救護義務違反の場合,違反の点数は35点となります。
そのため,ひき逃げの原因となった事故の態様のいかんに関わらず,原則として,免許取消処分となります。
もっとも,事故を起こしたことを知らなかった事情や,ひき逃げに至った事情を弁解すれば,行政処分が減軽される可能性もあります。
弁護士法人心では,意見の聴取手続に代理人として同行し,事情を説明して,行政上の処分が少しでも軽くなるような弁護活動を行ないます。
③刑事責任
事故を起こした場合,㋐負傷者の救護と危険防止の措置を取る義務,㋑警察に事故報告する義務,㋒現場に留まる義務が発生します。
そして,それぞれの義務を怠ると,刑事罰が取られます。
㋐負傷者の救護と危険防止の措置を取る義務違反は,事故が運転者の運転に起因する場合は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金,そうでない場合は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
㋑警察に事故報告する義務違反は3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金,㋒現場に留まる義務違反は5万円以下の罰金となります。
いずれについても,人身事故や死亡事故を起こして,ひき逃げをしてしまうケースでは,過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪とあわせた刑罰となりますので,前科などの情状によっては,実刑判決もあり得えるため,より適切な弁護活動が必要となります。