後遺障害における等級の併合に関するQ&A
Q後遺障害等級の併合とはなんですか?
A
後遺障害における等級の併合とは、複数の後遺障害が残った場合に、それら複数の後遺障害をまとめて1つの等級に評価する手続きのことです。
後遺障害が1つ残ってしまった場合と比べ、2つ以上の後遺障害が残ってしまった場合の方が被害者の負担や苦痛が大きくなりますので、基本的には、複数の後遺障害をまとめてより重い等級へと引き上げられることになります。
Q併合のルールにはどのようなものがありますか?
A
併合の基本的なルールは以下のとおりです。
①5級以上の後遺障害が2つ以上残存した場合、最も重い等級を3つ繰り上げる。
②8級以上の後遺障害が2つ以上残存した場合、最も重い等級を2つ繰り上げる。
③13級以上の後遺障害が2つ以上残存した場合、最も重い等級を1つ繰り上げる。
④14級の後遺障害が複数残存した場合は14級のまま。
上記のとおり、後遺障害が複数残ってしまった場合には、それらの等級をたすのではなく、一番重い等級を繰り上げることによって、全体としての後遺障害が何級であるのかを評価することになります。
例えば、5級と7級の後遺障害が残ってしまった場合には、上記②が適用されることになりますので、最も重い5級が2つ繰り上がることになるため、全体としての後遺障害等級は3級となります。
また、12級の後遺障害が2つ残ってしまった場合には、上記③が適用されることになり、最も重い12級が1つ繰り上がることになるため、全体としての後遺障害等級は11級となります。
なお、1級の場合にはそれ以上に繰り上がることはありません。
上記はあくまでも基本的なルールになりますので、残ってしまった後遺障害の内容によっては上記と異なる結論になることもあります。
最終的な後遺障害等級の認定は複雑であり、上記で見た併合以外にも様々なルールがあります。
後遺障害等級は1つ違うだけでもらえる慰謝料等が大きく変わりますので、後遺障害等級でお悩みの方は、弁護士に相談してみることをお勧めいたします。











